エモとチルは、本物志向の時代への中継点

階級社会化していく中でのマーケティングのトレンドとしては、矜持(きょうじ)をいかに持つかということにかかってくると思う。特に表参道を中心として、ファッションや、美容関係の経営コンサルの仕事を中心として、この6年間ブランドビジネスを展開する中小企業の経営者のアドバイスに従事してきたが、やはりこうした時代感を読み解くということは非常に大切なこと。
今の時代は特に2016年以降メルカリやZOZOの台頭により、シェアリングエコノミーが台頭し、これまでの所有感に訴えかけるような高級品志向のマーケティングは機能しなくなってきている。
むしろ時代のトレンドは、エモさと、チルが、キーコンセプトになっている。
こうしたエモさと、チルさが収斂していく方向性は、おそらく次第に「本物志向」に進んでいくのだと思う。商品のつくり方も常に時代感をベースに設計していかなければならないし、ただ眼の間にある流行に乗るのではなく、常に先に来る流行を先読みしていかなければならない。それが商売の基本である。
ここ数年本拠地としてきた「表参道」の持つ意味合いも、時代の変遷によってやはり大きく変わってきていると肌で実感する。盛り、映えの時代が終わったという感覚はすでにこの2年くらいの街の雰囲気で実感していたが、おそらく今のエモとチルは、「本物志向」という次にやってくる波の、中継的なものになっていると思う。
ブランドビジネスを展開する中小企業がとらえるべき、今後のビジネスの方向性としては、この「本物志向」のブランディングをどのように考えるか。特に30代半ば以降、あるいはもっというと50代以降の「本物」を体験できた世代だからこそ、この文脈をメタ認知することは非常に大事。経営は、常に変わらない軸を持つことと同時に、その時代の空気感をしっかりと読み解いていく感性に磨きをかけていくこと、勉強を続けていくことを欠かしてはならないと思う。

多くの場合本物に触れてきた世代である50代以降の経営者世代は、自らが持っている文化的資産(日本が物的に豊かだった時代に経験した本物志向のセンス)に対して、多くの場合無自覚。これは10代、20代の声に耳を傾けないと見えてこない側面だし、そもそもデジタルネイティブではないので、情報に経済的な価値を見出すという文脈に疎い場合が多い。多くの場合、たくさんの文化的資産を持っていたとしても、宝の持ち腐れになっていることが多い。若い人は、決して高級品を買わなくなったのではなく、むしろ「本物」を求めた結果、表面的な豊かさに惑わされなくなっていっただけ。つまり今後、「本物」を知る世代が、うまく自分の文化的な道のりを客観視して、それを独自の商品に変えていくのかということが、とても大事なテーマになっているのだと思う。僕が、経営コンサルでアドバイスしていく大枠はそういうことだし、上の世代で築いてきた文化的資産をどのように情報資産に変えていくのかということは、今後も非常に重要なテーマとなっていくと思う。
銀座がそうなっていったように、表参道も若者の街から、この20年で、次第に矜持を持つミドルエイジからシニア世代の街へと変貌を遂げていくと思う。その中で、「文化的矜持」に自己言及できるかどうかが、これから先の経営戦略において非常に大事なものとなっていくだろうと思う。

中小企業の経営は、特にこの10月から始まる消費税増税における消費動向の変化に対応できなければいけない。経営というのは常に生ものなので、時代を読み違うと、いままでのうまく行くやり方に固執していると、わりとすぐに事業は立ち行かなくなるものだ。
しかし、なかなかそこまでゆっくりと考えられるほど経営者には時間がない場合が多いし、そういう方々の相談にこれまでも数々乗ってきたし、喜ばれてきた。そもそも今の時代は、慢性的な人手不足時代になり、良い人材を雇うにもコストがかかる時代。
まして労働力に頼るのではなく、事業戦略そのものの抽象度を高めて、時流に合ったビジネスのシステム化をはかっていかなければ、生き残るのが難しい時代に入ってきている。そういう時代だからこそ、人を雇うよりも安く、なおかつ、自分の事業をメタ認知するために必要な豊富な経験を知識を持った、アドバイザーである経営コンサルをうまくスポットで使っていってほしいなと思う。

あと、商売のセンスを磨くうえでも、聖書の世界の教養は非常に大事。決してニューエイジ的な思想では、ビジネスセンスは身につかない。商売の基本はヘブル主義にこそある。

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